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EJエンジン、なぜエンストする?
 
チューニング : エンジン系のお話し
 

EJエンジン、なぜエンストする?

 
WRX-STI ( 特に GRB/GVB 以降、現行の VAB に至るまで ) のユーザーならば、 一度は経験したことがあると思われるのが 「 エンスト 」 。

車庫入れの時とか、狭い所でハンドルを切り返す時など、WRX-STI はエンストしやすい (^^ゞ

例えば、アイドリングで停車した状態からハンドルを切っていくとよく判るのですが、 ハンドルを大きく切るとエンジン回転がグッと落ちてエンストしそうになる事があります。
車庫入れなどでハンドルを大きく切り、クラッチを繋いでゆっくり動かす時は普通よりも やや踏み気味にしないとエンストしてしまいそうになるのは、WRX-STI ではよくある事。

ではなぜそうなのか? 今回はこのあたりのホントのところのお話しです。



まず、スバルというメーカー、皆さんご存じのとおり元々は飛行機メーカーでした。
それも戦闘機のメーカー。
星形エンジンとか、なるべく軽くてバランス良く、そして大パワーが売り物でした。

そして現在、スバルの代名詞とも言えるのが水平対向エンジン。
クランク軸にカウンターウエイトが不要と言われるバランスの良いエンジンですね。
バランスと軽さ、このキーワードが今も継承されています。
クランクプーリーも一般的なモノと比べ、非常に小さく軽量です。

これがターボと相まって、高回転まで一気に吹ける気持ちの良いエンジンなワケですが、 逆に言えば、クランク等が軽いと慣性を得にくく回転維持力が弱いエンジンとも言えます。

そう、これが原因ですね (^^ゞ
クランク等が軽すぎるんです。
ハンドルを切った際、パワステポンプの負荷に簡単に負けて、エンジン回転が落ちてしまうほど 回転維持力が無いってことなんです。。。


この対策として真っ先に浮かぶのは、電動パワステ。
とりあえず、負荷になるモノを無くそうって考え方です。
これが出来ればエンジン負荷が減って、低 〜 高回転域まで間違い無くパワーアップ!
WRX-STI は、ハンドルのギヤ比が特別だから、他車流用はちょっと無理っぽいので 専用品が出て来るといいなぁ・・・ 
( どこか、開発力のあるチューニングメーカーさん、宜しくお願い致します!! )


次に考えられる対策は、増量クランクプーリーとか、増量フライホイールとか。
まあ、軸上のバランスもあるから、やたら重くする事は出来ないかも知れませんが 実際ちょっとだけ重くするのは、かなり有効だと思います。
回転重量の増加 = 回転維持力アップって事です。

チューニングの常識では軽くするのが正しいと思われがちですけどね (^^ゞ
軽くして回転レスポンスを得れば、その代償としてトルクの源である回転維持力が失われるワケ。


EJ エンジンをシャーシダイでパワー計測すれば誰でも気が付くこと、それは高回転域のトルク不足。
特にブーストアップや吸排気系チューニングを施したエンジンほどパワー計測で顕著に出やすいのが トルクピークの回転域を過ぎたあとに、どんどんトルクが落ちて行ってしまうこと。

このトルクを高回転まで維持出来ない原因、つまり回転維持力が弱い = クランク等が軽い証拠。

クランク等をほんの少し重くする事で多少のエンジンレスポンスを犠牲にする事になると思いますが、 かなり乗りやすくなるでしょうね。

ある程度チューニングしてレスポンスがビンビンに良い場合なら、あまりレスポンスダウンせずに 大幅なトルクアップが見込めると思います。
それと、回転維持力のアップは最高速アップの効果もありますからね。

これもどこか開発力のあるメーカーさんが作ってくれると嬉しいです。。。(^^ゞ




備考

記事掲載日 : 2018/08/08