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まずはマフラー選びから

知らないと損をする速い車の作り方 マフラー選びのホントのところ
 

まずはマフラー選びから

 
車をいじる際、満足度の高い交換パーツと言えば、何と言っても 「 マフラー 」 でしょう。
見た目、音、パワーやトルク、そしてレスポンス。
マフラー交換だけで得られる効果は多いので、チューニングを行う上でのキーポイントでもあります。

例えばパワーやトルクよりも 「 音質 」 にこだわる人も結構大勢いらっしゃいます。
実際、音質向上目的のマフラーは数多くありますからね。

一般的にいうところの 「 STI マフラー ( STI が販売しているマフラー ) 」 も、この音質向上マフラーの代表格。
音質やデザイン、STI というブランドを楽しむなら、これは最適と言えます。

しかし、パワーアップ・トルクアップといったチューニングを目指す場合には、STI マフラーは不向きです。

実際、STI のホームページ内に
「 STI マフラー装着による出力・トルクの変化は無い 」 、 
「 音質とデザインを追及した製品 」
と解説があります。
( 参考URL : http://www.sti.jp/parts/faq.html#qa8 )

一応、ノーマルマフラーより軽いため、「 軽量化の効果としてレスポンスや加速性能の向上 」 はあると思いますが STI マフラーは エンジンのパワーアップには全く効果が無いので注意が必要です。
あくまでも ノーマル で楽しむマフラーであり、STI マフラーは ECU チューニングなどには適しません。



さて、ECU チューニングというキーワードが出たところで、もっとツッ込んだお話しをしましょう。
近年の車は ECU が複雑化していますし、いろいろなセンサーも増えて電子的な管理が行われていますので マフラー交換だけではパワーが引き出しにくくなっていたり、エンジンチェックランプが点灯しやすくなってしまいます。

そのため、「 パワーを出すためのマフラー開発 」 には ECU のチューニングも深く関わってきているのが実情です。
チューニングメーカー最大手の HKS とかで、排気系パーツと ECU チューニングパーツがセットで売られているのは こういった背景があるためですね。

いわば、ECU も一緒にいじるチューニングが、近年の車への対策となっているのです。
無論、この方式が今後もどんどん進んで行くのは言うまでも無い事でしょう。

逆に言えば、ECU チューニングの得意でない ( ECU チューニングパーツを作っていない ) メーカーのマフラーは パワーが引き出しにくく、どちらかと言えばノーマルマフラーの性能に近い傾向が強いように思います。
ECU チューニングパーツを扱っていなければ、当然上記のような対策をする術がないワケですから、ノーマルに近い 性能にしておくことで、ノーマルと交換しても問題が出にくくしているメーカーも多いと思われます。
まあ、当然といえば当然ですが。。。

これらのことから、近年の車の場合、パワーやトルクの向上を追求するならば、ECU チューニングパーツも作っているメーカーのマフラーを選ぶのが 「 今後の基準 」 になって行くでしょう。
もはやマフラー単体で考える時代ではないということです。



もちろん、マフラーに求める性能は、パワーやトルクの向上だけではありません。
冒頭にも書いたように音質を求める場合もあれば、作りの良さ、材質、デザインの良さなどを求める場合もあるでしょう。

しかし、ここで重要なのは、目的に合った性能のマフラーを選ぶということ。
パワー目的ならパワー指向の物を、音質やデザインが目的なら、それらに適した物を選ぶべきです。
そして、ひとつの性能に特化すればするほど、他の性能はあまり望めないと考えたほうが良いでしょう。
全ての性能が満点というマフラーは存在しないでしょうからね (^^ゞ
だからこそ、チューニングの目的をしっかりと決めてから選ぶ必要があるのです。

マフラー選びをする時に、値段や買いやすさ、好きなブランドの物を選んでしまうのは往々にしてあることですが、 それだとあとで買い直すことになってしまったり、本来求める性能をあきらめる事になりがちです。
買ったマフラーが無駄にならないよう、充分にそのマフラーの性能を理解してから購入しましょう。





■ 社外マフラーにする際の注意点

ターボ車の場合、パワーやトルクを求めるにはタービンをより良く回すことが最重要なため、太いパイプ径で 排気効率が良くなるよう、なるべくストレートで曲がりが緩やかな形状であるのが望ましいです。
また、テールピースだけでなくセンターパイプから交換するタイプのマフラーを選ぶ必要があります。
それと上記にも書きましたように、ECU チューニングパーツも作っているメーカーにするのが一番です。

パワーやトルクを求めると、マフラー出口の口径も太くなるのが一般的ですが、例えば 2本出しと 4本出しを比べると 2本出しのほうが 1本あたりの口径が大きいことがあり、車高を下げた場合に地面とのクリアランスがノーマルマフラー の時よりも少なくなってしまう事があります。
特に縁石や駐車場の輪止めとか と当たりやすくなるので要注意です。
また、スロープや段差をバックで上る時など、ノーマルマフラーと比べて社外マフラーは後下部分が当たりやすいです。

社外マフラーに交換した直後に、マフラーと路面・縁石・輪留めとの間隔を確認し、把握しておきましょう。
マフラーリング ( マフラーを固定するためのゴムで出来たパーツ ) を高硬度の物に交換して、なるべくマフラーが 下がらないようにする工夫もしておくと良いでしょう。



レスポンスアップが重視の場合は、パイプ径が太すぎない、ほどほどの径で軽いタイプがお薦めです。
( 径が太くなるほど、マフラー重量は増えますので、重さが気になる場合は太すぎない物を選ぶのがお薦め )

軽量化によって加速性能の向上が得られますが、車体の下部を軽くすると重心は上がるため、走行安定性が 低下しまうこともあります。
その対策として、例えばボンネットを軽いカーボン製に交換したり、純正シートよりも軽いバケットシートの導入など、 全体的な軽量化も行ってバランスを取ることも考えましょう。



音質を求める場合は、テールピースのみ交換するタイプが比較的安価でお薦めですが、材質による音の追求を する場合 ( 例えば、チタンマフラー特有のサウンドなど ) は、センターパイプから交換する一体タイプでないと
なかなか良い結果が得られないので注意が必要です。

なお、チタンマフラーは薄いので溶接部分やその近くからクラックが入りやすいため、定期的な点検が必須と言えます。
クラックを見つけたら、早めにチタン溶接の出来る所に行って補修してもらいましょう。



車両の個体差等によっては、エンジンやマフラーの共振によって 「 ビビリ音 」 が出る場合があります。
価格の安いマフラーや、パイプが薄くて軽いマフラーなど、その傾向が高いと思われます。
エンジン回転数が 3000 〜 4500 ぐらいが共振しやすく、この回転域で特に異音がする場合は、まず間違いなく 共振が原因であると考えられます。

また、排気系を社外品に換えて一部だけノーマル部分が残ったままの状態で、その部分に遮熱板が付いていると 車によっては遮熱板にクラックが入りやすくなったり、ビビリ音が出やすいことがあるので要注意です。
遮熱板がひどく割れているとアイドリングでもビビリ音が出ますので、その場合は全て交換してしまうのがお薦めです。


備考

記事掲載日 : 2017/10/05