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ガンガン行くぜ!GD型チューニング番外編
HKS EVC Pro

 
 ▼ HKS EVC Pro
 
 
 
 今回も一応、番外編です(^^ゞ
 メーカーからの新品販売は終了しているので、中古でやっと GET した 「 EVC Pro 」 です。(^-^)v
 取り付けた車両は、私のGDB-B 型 なんですが。。。。。(;^_^A アセアセ
 
 結果から先に書いちゃいますけど (苦笑) 、実はどうにもこうにもセッティングが上手く行かないので、
 EVC Pro は外して、現在は元の AVC−R に戻してあります。
 
 まあ、パーツ同士の組合せにも相性ってゆーのがありますからね。
 特に私の GDB-B 型は、吸気系も排気系も全て交換しちゃってますし、タービン自体もハイフローな
 ツインスクロールに換えてあるので、このぐらいチューニングが進行してしまうと、ブーストの立ちや
 かかり具合にも 「 独特感 」 が出て来ますから、制御の方法や範囲等によっては相性の善し悪しが
 あっても仕方のない事なのかも知れません。(^^ゞポリポリ
 
 とりあえず、せっかく GET したワケですし、取り付けも行っていますので、そのあたりを中心に
 レポートを書いてみました。
 セッティング自体はどうにもなりませんでしたが、多少なりともご参考になればと思います。m(_ _)m
 
 
 さて、そもそも何でこの EVC Pro に交換を試みたかと言うと、私が AVC−R に慣れてしまったのか
 それとも 現状のパーツの組合せと大変相性が良いためか、ある程度ざっくりとセッティングしても
 キチンと制御出来てしまうので、セッティングにあれこれと悩んだり考えたりして 「 楽しむ 」 ことが
 少なくなって来てしまったんですよね。(笑)
 
 私は本来、頭を抱えて悩むほど難しいぐらいのほうが好きですし、その 「 攻略 」 こそがセッティングの 
 醍醐味であり、楽しみだと思うんですよ。(笑)
 
 そこで AVC−R と同様に色々と設定可能な他のブーストコントローラーを試してみたくなったワケです。
 機種が変われば、その機種を理解したりマスターするまで
「 攻略 」 と言う欲求を満たせますからね!
 ( 贅沢な悩みですね。m(_ _)m )
 まあ、今回はこのあたりが裏目に出たとゆーか(笑)、欲張ってはいけないと言う教訓になりました(笑)
 
 
 【 EVC Pro について。。。 】
 
  HKSから発売されたブーストコントローラーの中では、おそらく質実ともに最高峰でしょう。
 
  エンジン回転数とスロットル開度、または車速とスロットル開度を軸とした 5 x 5 のマップを作って
  細かいブースト圧制御が可能です。
  
  例えば、、、
スロットル開度\回転数  1000回転  4000回転  5000回転  6000回転  7000回転
 100%  +0.10  +0.10  +0.05  ±0  -0.05
 75%  +0.10  +0.05  +0.05  ±0  -0.05
 50%  +0.05  +0.05  +0.05  ±0  -0.05
 25%  +0.05  +0.05  ±0  ±0  -0.05
 0%  ±0  ±0  ±0  ±0  -0.05
  基本的なブースト圧を 1.30 にセットしたとして、上の表のようにエンジン回転数やスロットル開度の
  違いによって微妙に補正を行なえるワケです。
  こうする事により、ブースト圧の立ち上がりや全体的なレスポンスなどの味付けが可能になります。
 
   ※ 上の表は、低中回転域でわざとオーバーぎみにしパンチとトルクを稼ぎ、高回転域では  
     安全マージンとして微妙に最大ブーストを下げる仕様のイメージ。(^^ゞ
     ( あくまでもイメージです。(笑)
 
 
  外見は EVC III とよく似ていて、とてもシンプルです。
 
    
  
  ↑ 左が EVC Pro で、右が EVC III です。
    簡単な見分け方法としてはフロントパネルの文字の色の違いですね。
    Pro のほうはオレンジ色の文字ですが、III のほうはグリーンです。
  
 
 
 ※ 個人売買や中古販売業者等から、中古品を購入する場合は、よく注意してトラブルのないよう
   気を付けましょう。( 程度の具合や欠品の有無、動作確認や使用状況の確認もお忘れなく )
 
 ※ 当サイト内の掲示板等では、オークションや個人売買に関するご質問は禁止 しております。
   また、個人売買等で購入したモノの取り付け方法や操作・使用方法のご質問も禁止 です。
   ご質問や相談は売り主さんに直接聞くようにして、当事者間で解決するようにしましょう。
   ( 当事者同士が当サイト内の掲示板で話し合うのも禁止です。ご協力願います。)
 
 ※ 改造やセッティングは、ご自身の責任の範囲内で行って下さい。
   なお、公道では交通ルールを守り、安全運転してくださいね(^^ゞ

 
 
 
 ▼ 取り付け作業とセッティングの解説
 
   
 
  エンジンルーム内の付け方法は、以前ご紹介した グレッディ プロフェックBスペック II や、
  同じ HKS 社の EVC III とほぼ同様です。
 
  配管ホース類の接続方法などは、上記のページを参考にして下さい。
 
  ちなみにバルブユニットは上の写真( 左 )の の部分に純正ボルトを利用して取り付けました。
  圧力センサー用の配管はブースト計と同様に の所のインマニ部分から3つ又分岐で取りました。
 
 
   
 
 コントロールユニットは、ハンドル軸の上に設置しました。
 AVC−R を取り外して、EVC Pro が搭載された私のGDB-B型のコクピットです (^-^)v
 
 
 EVC Pro の配線は、以下のように繋ぎました。
 
  ・ 灰色 → ECU のスロットル信号へ ( ECU配線に関しては AVC−R のページを参照下さい
 
  ・ 紫色 → ECU の回転信号へ ( ECU配線に関しては AVC−R のページを参照下さい
 
    ※ 私の場合、エンジン回転数別に補正を行いたいと考えてますので、信号入力線 ( 紫色 ) は
      ECU の回転信号線へ繋いでいます。
      車速で補正をかけたい場合は、ECU の車速信号線へ繋げてやればOKです。
 
  ・ 桃色 → インタークーラーウォータースプレーのスイッチ裏のイルミ電源線へ
          または、「 OP コネクター 」 のイルミ電源線に繋いでも良いでしょう
 
      
 
    上の写真( 左 ) の の部分の奥のほうに 「 OP コネクター 」 があります。
     の部分のインタークーラーウォータースプレーのスイッチからイルミ電源が取れます。
    イルミ電源線の車両側の配線色は紫色です。
 
  ・ 赤色 → OP コネクターの IG 電源線へ ( 車両側の配線色は緑色に白ライン )
 
  ・ 黒色 → OP コネクターのボディーアース線へ ( 車両側の配線は黒色 )
 
   ※ OP コネクター ( 15ピン / 純正ナビなどの接続用サービスコネクターです。 )
  
10 11 12 13 14 15
 
番号  色    EVC Pro 側の配線
GW 緑白  IG電源  ← 赤 を接続する
 イルミ電源  ← 桃 を接続する
 アース  ← 黒 を接続する
 
 
 
 【 セッティング 】
 
  ※ 下記のセッティング値は初期の暫定的な設定であり、決してベストセッティングではありません。
    また、マフラーやエアクリなど、他のパーツの組合せによって変わったり、個体差もあるので
    クルマによってそれぞれ異なった値になると思います。
    実際のセッティングはブーストのかかり具合をみながら慎重に設定して行きましょう。

    
 
  ∇ ディップスイッチ ---------------------------------------------------------------
 
   
 
   1 ・・・ 「 ON 」  回転信号 or 車速信号入力を使用する
   2 ・・・ 「 ON 」  スロットル信号入力を使用する
   3 ・・・ 「 OFF 」 回転信号を使用する
   4 ・・・ 「 ON 」  回転同期データサンプリング
 
 
  ∇ 排気バイパス選択スイッチ ------------------------------------------------------
  
   
 
   アクチェーター&スイングバルブでの制御なので、SW ( スイング ) 側にします。
 
 
  ∇ 初期設定 ---------------------------------------------------------------------
 
   中古品の場合は、まずリセットを行いましょう。( 取扱説明書を参照願います。 )
 
   リセットを行ったら、最初にブーストコントローラーを OFF の状態にしてかかるブースト圧の
   最大値を入力します。 ( なるべく 5 〜 6 速などの高いギヤを使って調べましょう )
   次に、その値に 0.2 を加えた数値を入力します。
 
   個体差があると思いますが、私の GDB-B 型では、0.65 と 0.85 を入力しました。
 
 
  ∇ 車両設定 ---------------------------------------------------------------------
 
   詳しい設定方法等は取扱説明書を参照願います。
 
   ・ スロットル全閉電圧設定 ・・・ 私のGDB-B型の場合 「 0.53 」
 
   ・ スロットル全開電圧設定 ・・・ 私のGDB-B型の場合 「 3.85 」
 
   ・ 気筒 / 車速パルス数設定 ・・・ 回転信号 / 車速信号 のいずれを選んでも、ここは 「 4 」
 
   ・ 大気圧補正設定 ・・・ 「 有効 」 を選択
 
   ・ サージタンク圧表示 ・・・ 「 相対圧 」 を選択
 
 
  ∇ オートアジャスト機能 -----------------------------------------------------------
 
   「 有効 」 を選択
 
 
  ∇ スクランブルブースト値 ---------------------------------------------------------
 
   今回は、未設定のままです。
 
 
  ∇ ワーニング設定 ---------------------------------------------------------------
 
   1.5にセットしました。
 
 
  ∇ ブースト圧 & オフセット値 & マップ関連 ----------------------------------------
 
   ブースト圧は 1.30 、オフセットは最初未設定 ( 100 ) のままでセッティングを開始しました。
 
   それと、、、マップ設定までは辿り着けませんでした。(苦笑) (;^_^A アセアセ
 
 
 
 ▼ まとめ
 
 まず、実際に走らせてみて感じたのは、各ギヤ毎でブーストの安定度の差が大きい事です。
 
 これはどういう事かと言いますと、例えばゆっくり加速した時はちゃんと目標設定値のブースト圧で
 安定したとしても、エンジン負荷が大きい急激な加速時にはブースト圧がオーバーぎみの状態になり、
 それが高いギヤに行くほど差が大きくなると言う状態でした。
 
 雰囲気的には過給スピードに対して制御スピードが追いついていないような感じでしょうか。
 
 そこで、Defi のブースト計と、EVC Pro のブースト圧表示を実際に見比べながら走ったところ、
 どうも EVC Pro の表示のほうが反応が緩やかのようで、Defi と比べて遅れて動くように見えました。
 これだとブーストに急激な変化が起きた時に、それを感知するサイクル ( フィードバックスピード ) が
 間に合っていないように思えます。
 
 特に6速では、ガバッとアクセルを踏んだ時など、エンジンに高負荷がかかった状態だと簡単に
 ブースト圧が目標設定値をオーバーしてしまうため、ブースト圧の制御よりもワーニング機能による
 ブーストカットのほうが先に働いてしまう状態でしたね。(^^;; ヒヤアセ
 
  ※ EVC Pro のワーニング機能は、上限をキープするブーストリミッターではなくて、
    強制的にブーストコントローラーを 「 OFF 」 にした状態、つまり、ブースト圧が
    0.5 〜 0.7 ぐらいまで一気に落とされます。(^^ゞ
 
 ブースト圧 1.5 でワーニングが働くように設定しましたが、走行後に Defi でピーク値を見てみると
 
  
 
 かなりオーバーしてましたね。。。
 
 これはさすがにヤバめかも? (苦笑) 
 やはり EVC Pro の制御スピードよりも、ブーストの立ち上がりスピードのほうが上回っているようです。
 制御が遅れるためにブーストカットも間に合わず、ワーニング設定値を大きくオーバーしていますね。
 
 一応、もしかしてブースト圧センサーに繋がる配管が悪くて制御が遅れている可能性も考えられるので
 センサーに繋がる配管の取り回しを他の配管よりも優先させたり、フィルターを新品に交換したりと、
 接続方法も色々と変えて試してみましたが、この現象は改善されませんでした。
 
 更に念のため何度がリセットをやり直し、制御基本となる初期設定値を少しずつ変えてみたり、
 オフセット値も変えてみましたが、基本的に制御が遅れる現象は変わらぬままでしたね。
 
 まあ、AVC−R を使った場合でも瞬間的なオーバーシュートは当然ありますが、AVC−R の場合は
 各ギヤ毎に設定が出来ることや、感知するサイクル ( フィードバックスピード ) を調整できるので、
 オーバーシュートをなるべく抑える事が出来ましたからね。
 
 EVC Pro にはこのあたりの調整が無いので、別のアプローチを行う必要があるかも知れません。
 例えば、エンジン回転数でのマップ制御ではなく、車速でのマップ制御を行うとかね。
 車速とスロットル開度とのマップならば、かなりのセンでギヤ判別に近いマップが作れそうです。
 
 車速とスロットル開度で今何速を使って走っているか大体判りますから、それで補正をかけてやれば
 各ギヤ毎に差が大きくなる 「 ブーストの立ち上がりと制御のタイムラグ 」 を抑え込めそうな気がします。
 
 これはこれで大変興味深く、知的好奇心がうずく面白そうなセッティングですよね!
 
 うーーーーん、、、、、だけど・・・・
 
 これをやっちゃうと1番やりたい事、そう、回転数別の制御を行い低中回転域でオーバー気味にして
 パンチやトルクを稼ぎたいと言ったセッティングが出来なくなってしまうんですよね。。。
 
 ってゆーワケで残念ですけど、今回はここまでって事にして、もとの AVC−R に戻すことにしました。
 
  
  
  ↑ AVC−R に戻したところ (;^_^A アセアセ
 
 
 でも、ただ単にもとに戻すってゆーのもなんですからね、、、(^^ゞ
 私なりに今回の現象について色々と考察してみました。
 
 
 ∇ 考え得る原因など。。。
 
 ・ 冒頭にも書きましたが、やっぱり 「 相性 」 とか、「 個体差 」 ってゆーのがありますよね。
  後付けパーツ同士の組合せによっては、なぜかどうしても上手く行かない場合もあるでしょう。
  逆に言えば、AVC−R の相性が良すぎたのかも知れません(笑)
  今思えばセッティングがイージーになったと感じたのも、相性の良さからそう感じたとも言えます。
 
 
 ・ ブースト制御が遅れる原因のひとつとして考えられるのが 「 中古品 」 であると言う事。
  特に、私が GET した EVC Pro は、表示単位がパスカルではなく、Kgf/cu 表示のモノなので
  EVC Pro の中でも初期 ( 少なくとも平成11年10月以前? ) のモデルです。
  経年変化等でブースト圧センサーが多少鈍くなっている可能性が無くもないでしょう。
 
  もっともこの場合、新品時を知ることが出来ないので、本当にそうかどうか、確認が困難です。
  とりあえず、サービスセンターへ点検に出す、またはブースト圧センサー部分の交換に出さないと
  この答えが合っているかどうかはハッキリしないでしょうね。(^^ゞポリポリ
 
  ただし、多少ゆっくりぎみで加速した時は、ちゃんと正しく制御されているので、故障と言うよりも
  本当に急激な変化にだけ追従出来ていない感じがします。 
  もしかして内部でゴミや埃などが詰まってしまい、それがオリフィス的な働きをしてセンサーが
  鈍いのかな? とも思えたりもしますが、、、しかし、それを分解して確認する勇気はないので、
  やっぱりサービスセンター送りかな。。。
 
  まあ、 「 中古品だから、もしかすると… 」 って、仮定の域で話ですね。(^^ゞ
 
 
 ・ もっと事実に沿って考えると、ハイフロー化されたタービンの過給性能や、剥き出しエアクリなど
  現在はブースト圧が非常にかかりやすい状態で、ノーマルタービンの頃と比べると圧倒的に
  ブースト圧に余裕があります。
 
  また、ノーマルブローオフバルブから多少のブースト圧が漏れていても、何の問題もないぐらい
  ブースト圧を維持できる状態です。( 詳しくは、ブローオフバルブ交換の記事 を参照下さい。 )
 
  加速時にブースト圧が漏れていても関係なく、ガンガン加速できるほどの過給スピードと過給量が
  あるワケですよね。 
 
  今では社外のブローオフバルブに交換したことによって、ブースト圧の漏れはなくなりましたので
  それらを踏まえて考えてみると、過給スピードのほうが制御スピードを大幅に超えてしまっても、
  ある意味まったく不思議ではないのかも知れません。(笑) 
 
 
 いずれにしても、ゆっくりと時間が取れる時にでも、また試してみたいと思います。(^-^)v
 ・・・その前に、やっぱりセンサーの故障(?)が不安だから、HKS のサービスセンターへ行って
 点検に出さないとダメかな。。。 こりゃ、予算と時間がある時にって感じでしょうか。(苦笑)
 
 
 
 【 製品について。。。 】
 
  この製品については、結果的に取り外していますので、ここに書いた以上の事は判りません。(^^ゞ
  多少なりとも購入検討の参考になればと思いますが、詳しくはメーカーさんや販売店さん、
  個人売買の場合は売り主さん等へおたずね下さい。m(_ _)m
  真に勝手ながら、ご理解&ご容赦のほど願います。
 
 
 ※ この記事は 2004/04/06 現在のモノです。
 
 
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